レバレッジと必要証拠金
国内 FX における必要証拠金は「ポジション名目額 ÷ 25」で計算される (個人口座、2026 年現在)。USD/JPY を 1 万通貨 (名目 150 万円相当) 買う場合、必要証拠金は約 6 万円。残りの口座資金は維持証拠金やドローダウン耐性として残すのが安全な設計である。レバレッジを目一杯使い切るのではなく、実効レバレッジ (現在のポジション総額 / 口座残高) を 5-10 倍程度に抑える運用が多い。証拠金維持率がブローカーの最低基準を割ると、強制ロスカット (stop-out) が発動しポジションが市場価格で強制決済される。
数学的なリスク特性
レバレッジ L 倍のポジションで原資産の標準偏差が σ なら、口座残高ベースのリターン標準偏差は L × σ となる。シャープレシオはレバレッジに依存せず一定 (理論的には) だが、最大ドローダウンと破産確率は L に対して非線形に悪化する。例えばレバレッジ 1 倍で年間ドローダウン 20% の戦略を 5 倍で運用すると、ドローダウンは単純計算で 100%、つまり破産水準まで到達しうる。実務的には「ケリー基準」(期待値最大化のレバレッジ) よりさらに保守的な「ハーフケリー」「クォーターケリー」を採用することが多い。
実効レバレッジの管理
口座に複数のポジションがあると、それぞれが独立にリスクを持ちつつ相関で打ち消し合う部分もある。USD/JPY ロングと EUR/JPY ロングは円安方向で同方向に動くため、合計のリスクは単純合算より大きくなる。逆に USD/JPY ロングと AUD/USD ロングは局面によっては相関が逆になる。実効レバレッジを評価する際は、名目額の合計だけでなく、ポートフォリオのバリュー・アット・リスク (VaR) を計算し、口座残高に対する割合で管理する方が実態に合っている。