スワップポイントの算出ロジック
スワップポイントは原則として「2 通貨間の短期金利差 (政策金利ではなく翌日物金利)」をベースに、ブローカーのマークアップを差し引いて決定される。例えば AUD/JPY を買い持ちする場合、オーストラリアの翌日物金利が 4.35%、日本が 0.10% であれば年率 4.25% の金利差が存在し、これをベースに 1 日あたりの付与額が計算される。ただし実際には各ブローカーが独自のスプレッド (買いスワップと売りスワップの差) を設けるため、理論値とは乖離する。水曜から木曜へのロールオーバーでは土日の 2 日分を加えた 3 日分が一括計上されるのが業界慣行である。
スワップポイントと政策金利の関係
スワップポイントは政策金利の変更に追従して変動するが、完全に連動するわけではない。短期金融市場では LIBOR (2024 年に廃止済み、後継は SOFR 等) やオーバーナイト・インデックス・スワップ (OIS) が翌日物金利の指標となり、中央銀行が利上げを示唆するだけで市場金利が先行して動く。2022〜2023 年に米 FRB が急速利上げを行った局面では、USD/JPY の買いスワップが月単位で倍増する事例が観測された。逆に利下げ期待が高まると、実際の政策変更前にスワップが縮小し始めるため、キャリー戦略はスワップの「現在値」だけでなく金利先物が織り込む将来経路にも注意を払う必要がある。
システムトレードにおけるスワップの扱い
バックテストでスワップを無視すると、キャリー系戦略では収益を過小評価し、逆キャリー (高金利通貨ショート) 戦略ではコストを過小評価する。実務的な対処は、ヒストリカルデータに日次スワップを反映させるか、平均年率を日割りして毎日のリターンに加減する方法がある。後者は近似だが、バックテスト期間が 10 年を超える場合は金利環境が大きく変動しているため、期間別に金利差を切り替えるほうが実態に近い。OANDA のような大手ブローカーは過去のスワップ履歴を公開しているため、これをヒストリカルデータとして取り込む設計が望ましい。